Microsoft Power Automateのデスクトップ版とクラウド版の違いって何?
こういった疑問に答えます。
Microsoft Power Automateは、RPAツールのおすすめ5選【特徴やメリット、料金を徹底比較】でも紹介したおすすめのRPAツールです。
ただ、このPower Automateって、
- Desktop版
- クラウド版
の2種類があり、混乱してる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、両者の違いをわかりやすく解説しましたので、ぜひご覧ください。
Microsoft Power Automateの基本用語
最初に、Microsoft Power Automateの基本用語を紹介します。
Microsoft Power Automateには、基本要素として「アクション」と「フロー」があります。
アクション
「特定のWebページを開く」「エクセルのファイルを開く」「ボタンを押す」といった操作を「アクション」と呼びます。
35グループ300超もあり、豊富なアクションが用意されています。
フロー
アクションの順番やタイミング、操作内容を組み合わせた作業の流れを「フロー」いいます。
最初に「ページを開く」、次に「ボタンを押す」、次に「ページの情報を取得する」といった複数のアクションを組み合わせて、フロー(流れ)を設定します。
Microsoft Power Automate:Desktop版とクラウド版の違い
Microsoft Power Automateは、業務効率化に役立つワークフロー自動化ツールです。
大きく分けて、Desktop版とクラウド版の2種類があります。
両者の違いをひとことで言うと、以下のとおり。
それぞれの特徴を比較し、あなたに最適なPower Automateを選びましょう。
1. 動作環境
Desktop版 | クラウド版 | |
---|---|---|
動作環境 | Windows 10以降 | ブラウザ |
インストール | 必要 | 不要 |
起動 | PCごと | クラウド上 |
Desktop版は、Windows 10以降のPCにインストールする必要があります。
一方、クラウド版はブラウザ上で動作するため、PCのOSやスペックに制限はありません。
2. 機能
項目 | Desktop版 | クラウド版 | 補足 |
---|---|---|---|
自動化対象 | PC上のアプリケーション | クラウドサービスやオンプレミス環境も含む | クラウド版は、PC上のアプリケーションだけでなく、Microsoft 365、Azure、Salesforceなど、様々なサービスを自動化できます。 |
フロー作成 | ドラッグ&ドロップ | コード記述も可能 | クラウド版は、より高度な自動化も可能です。 |
トリガー | ファイル変更、フォルダ変更、キーボード入力、マウス操作など | メール受信、ファイル更新、API呼び出しなど | クラウド版は、より多くのトリガーに対応しています。 |
アクション | ファイル操作、フォルダ操作、キーボード入力、マウス操作など | メール送信、ファイル更新、API呼び出しなど | クラウド版は、より多くのアクションに対応しています。 |
コネクタ | 500種類以上 | 500種類以上 | どちらも、Microsoft 365、Azure、Salesforceなど、様々なサービスと連携できます。 |
スケジュール実行 | 可能 | 可能 | どちらも、フローを定期的に実行できます。 |
セキュリティ | ローカル | 堅牢なセキュリティ機能 | クラウド版は、Microsoft Azureのセキュリティ基盤で保護されています。 |
ライセンス | 無償版あり、有償版あり | 有償版のみ | 無償版のDesktop版は、機能に制限があります。 |
Desktop版は、PC上のアプリケーションを自動化するのに適しています。
一方、クラウド版は、クラウドサービスやオンプレミス環境も含めて、より幅広い自動化に対応できます。
3. 対象ユーザー
項目 | Desktop版 | クラウド版 |
---|---|---|
対象ユーザー | 個人の業務効率化、部門内のワークフロー自動化 | 社全体の業務効率化、複雑なワークフロー自動化 |
Desktop版は、個人の業務効率化や部門内のワークフロー自動化に適しています。
一方、クラウド版は、社全体の業務効率化や複雑なワークフロー自動化にも対応できます。
4. コスト
項目 | Desktop版 | クラウド版 |
---|---|---|
無償版 | あり | あり (ただし、1か月の無料体験後は有料) |
Desktop版
Desktop版には、無償版と有償版があります。
無償版は、機能に制限がありますが、個人利用や小規模なワークフロー自動化には十分です。ただし、無償版を使えるのは、Windows10以降のPCをお持ちのユーザのみ。
有償版は、無償版よりも多くの機能を利用できます。
クラウド版
クラウド版は、有償版のみです。月額料金制で、利用する機能によってプランが分かれています。
料金の詳細は以下をご覧ください。
https://powerautomate.microsoft.com/ja-jp/pricing/
無料体験
ただし、1か月の無料体験はあるので、興味ある方は試してみるといいですね。
無料体験の申し込みは、以下のアドレスにアクセスしたのち、「無料で試す」をクリックしてください。https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-automate
5. モバイルアプリ
項目 | Desktop版 | クラウド版 |
---|---|---|
モバイルアプリ | なし | あり |
クラウド版には、モバイルアプリが用意されています。スマートフォンやタブレットでフローを管理することができます。
6. Desktop版とクラウド版の連携
Desktopフローとデクラウドフローですが、別々で作って動作させて終わりでは、せっかくの自動化の意味がありません。
当然ながらそこはしっかり考えられていて、Power AutomateではクラウドフローにDesktopフローを選択して組み込むだけで動作します。
実はPower Automateは当初はクラウドフローのみを提供したMicrosoft Flowという製品でリリースされており、Desktopフローの機能は後から追加された機能になっています。
そのため、このクラウドサービスとDesktopとの橋渡し機能は十分に考えられており、複雑な設定をしなくても動作するようになっています。
Desktopフローに値を渡したい場合は、引数として設定しておけば、クラウドフローに組み込む際に、引数として表示され、それに値を設定するだけで、値が渡ります。
また逆も然りで、Desktopフローから値を受け取りたい場合は、戻り値として指定しておけば、クラウドフロー上で値を受け取ることができます。
7. どちらを選ぶべき?
状況 | Desktop版 | クラウド版 |
---|---|---|
個人で利用したい | ◎ | △ |
部門内で利用したい | ◎ | ◎ |
社全体で利用したい | △ | ◎ |
複雑なワークフローを自動化したい | △ | ◎ |
モバイルアプリを使いたい | ✕ | ◎ |
コストを抑えたい | ◎ | △ |
上記を参考に、あなたの状況に合ったPower Automateを選びましょう。
迷ったら、まずは無償版のDesktop版から試してみるのもおすすめです。
Microsoft Power Automate:Desktop版とクラウド版の使い方
Microsoft Power Automateの公式ページは以下です。
https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-automate
Desktop版の使い方
Desktop版の画面は以下の感じ。
前述のとおり、Desktop版はパソコンにインストールしてから使います。
フローの作成方法は以下のヘルプをご覧ください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/desktop-flows/create-flow
クラウド版の使い方
クラウド版の画面は以下の感じ。
フローの作成方法は以下のヘルプをご覧ください。
テンプレートからクラウドフローを作成する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/get-started-logic-template
「なんか改善したいんだけど、どうしたら良いのかわからない」といった時はテンプレートを眺めていると閃くことがあるのでオススメです。
スケジュールに従ってクラウドフローを実行する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/run-scheduled-tasks?tabs=classic-designer
最後に
Microsoft Power Automate のデスクトップフローとクラウドフローの違いを紹介しました。
両者の違いを理解して、あなたの希望にそったほうを使ってみてください。